特集 内分泌疾患2
Part 2 どこまでを専門家がみて,どこから総合内科医がみるのか?
6.甲状腺:③甲状腺中毒症,亜急性甲状腺炎,バセドウ病
村部 浩之
1
Hiroyuki MURABE
1
1倉敷中央病院 内分泌代謝・リウマチ内科
pp.367-376
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900906
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key point
・甲状腺中毒症を疑うきっかけとしては,動悸,頻脈,発汗過多,手指振戦などが多い。亜急性甲状腺炎については,急性咽頭炎と判断して診断の機会を逃すことがないよう注意する。バセドウ病では,びまん性甲状腺腫や眼症状のほか,心房細動や(小児では)学力低下で気づかれる症例もある。
・亜急性甲状腺炎では,ステロイド減量時に再発を繰り返す症例は,内分泌専門医に紹介する。バセドウ病では,挙児希望がある症例や抗甲状腺薬が使用できない症例は,内分泌専門医に紹介する。
・内分泌専門医からバセドウ病の管理を引き継いだ場合,抗TSHレセプター抗体を参考にしつつ,最小用量の抗甲状腺薬で6か月以上甲状腺機能が正常に維持されていることを確認してから中止にする。最小用量の抗甲状腺薬で安定的にコントロールできている症例では,長期投与も選択肢となる。
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