特集 内分泌疾患2
Part 1 内分泌疾患を疑うきっかけは?
2.症状から疑う内分泌疾患—⑮不妊から疑う内分泌疾患とは?
大塚 勇輝
1
Yuki OTSUKA
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.327-329
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900899
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key point
・「不妊」が内分泌疾患を疑うきっかけになることがある。
・性腺ホルモン以外の内分泌疾患でも不妊を生じ得る。
・甲状腺機能異常は,機能の亢進でも低下でも視床下部-下垂体-卵巣系の排卵調節を障害し,月経異常をきたし,受精率や着床率にも変化を与え,潜在性の病態でも不妊をきたす。
・多囊胞性卵巣症候群(PCOS)は女性の約5%にみられる疾患で,黄体形成ホルモン(LH)の過剰産生により排卵がうまくできず不妊をきたし,アンドロゲン過剰分泌による卵胞の発育抑制も認める。
・高プロラクチン(PRL)血症は,一般女性の0.4%,不妊症や月経異常の女性の10〜20%に認められ,下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)や薬剤,甲状腺機能低下症やPCOSなどのさまざまな要因で高PRL血症を生じ,排卵障害や不妊をきたす。
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