連載 ホスピタリストが日本の医療を変える
CASE 6|福井大学医学部附属病院—「総合診療・総合内科センター」設立で実現した,時代と個のニーズを満たす総合医育成プログラム
石本 貴美
1,2
,
山村 修
1,3
,
辻 英明
1,2
,
林 寛之
1,2
1福井大学医学部附属総合診療・総合内科センター
2福井大学医学部附属病院 救急部
3福井大学医学部 地域医療推進講座
pp.784-787
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900852
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総合診療医,総合内科医(以下,総合医)はともに外来医療,在宅医療,病棟医療,救急医療,地域ケアの5つの領域にコミットし,一生かけて研鑽を積む必要がある。ところが総合医を目指す若手医師にとって,5つの研鑽の場を得ることは至難の業である。外来は病院と診療所でスタイルが大きく異なり,また病棟は専門科によって細かく分かれている。救急と在宅医療は診療のペースが大きく異なり,巨大総合病院が中心の研修では地域ケアと触れ合う機会がほとんどない。社会に飛び出たばかりの雛(ヒヨコ)医師にとって,徒弟制度の仁義が色濃く残る医師社会は砂漠のようなものである。
しかし,人口減少社会と超高齢社会が進行する日本において,総合医のニーズは高まるばかりである。そこで,総合医を目指す若手医師のオアシスとなるべく,本学では総合医の教育拠点となる「総合診療・総合内科センター」を2020年10月に立ち上げた。本稿では,5領域すべての研鑽を可能とした本センターのプログラムの特徴や,実際の研修の様子を紹介する。
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