特集 病棟管理
Part 3 病院に与える医療経済および医療の質・患者安全への影響
11.病棟での医療の質改善—「医療の質」を整理し,QI活動の実践方法を学ぶ
水野 篤
1
Atsushi MIZUNO
1
1聖路加国際病院 QIセンター/循環器内科
pp.719-725
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900842
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昨今,「質の高い医療」への関心が高まってきていることは言うまでもない。エビデンスに基づく医療への理解が進むと同時に,どれだけ医学が発展し,新たな治療法が出てこようともそれらが適切に行使されていなければ意味がない,ということを医療従事者のみならず,患者側も理解し始めたからだ。
全米医学アカデミー(NAM*1)では,医療の質について定量的,定性的に“Crossing the Quality Chasm”として報告し,全世界における医療の大きな問題点を2001年に提示した。この報告において,医療における6つの改善目標である「安全性」「有効性」「患者中心志向」「適時性」「効率性」「公正性」を共有し,教育を含む医療システムの再設計を提唱している。本Part全体が医療の質にかかわるものなので,本稿でどこまでふれる必要があるのかは難しいところであるが,筆者に与えられた課題である「医療の質改善」について,定義から,実際にどのように実践するのかまで解説していきたい。
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