学会報告2020
医療者がリードする『患者力』向上のためのワークショップ 開催報告—患者が望ましい方向に変わることを期待しつつかかわり続けるために!
東 光久
1,2
1福島県立医科大学 白河総合診療アカデミー
2白河厚生総合病院 総合診療科
pp.172-179
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900766
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Shared Decision Making(患者と医療者が協働して行う意思決定)の必要性・重要性は,多くの医療者が同意するところであろう。そのためには,私たち医療者は患者に情報を提供し,患者に理解し吟味してもらい,一緒に意思決定する必要が生じる。その際,私たちの提供する情報を患者は十分に理解できているだろうか。現実として,おびただしい量の説明文書・同意書を配布して署名を促し,患者側はよくわからないまま署名しているだけのことはないだろうか。
知識・経験の乏しい患者に対して,正しい情報を提供しさえすれば,これを理解し適切に行動できる,と考えるのは無理があるのではないか,といった考えに行き着く。私たち医療者は患者の意思決定に適切な支援ができるようサポートすべきではないだろうか。そんな考えから,がん診療に携わる医療者仲間で2019年から始めた活動が,Patient Empowerment Program,PEPである。
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