特集 アレルギー
【各論】
10.アトピー性皮膚炎—治療は皮膚の炎症を抑え,バリア機能を修復すること
門野 岳史
1
Takafumi KADONO
1
1聖マリアンナ医科大学 皮膚科学
pp.101-110
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900758
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アトピー性皮膚炎は,Th2サイトカインを主体とするアレルギー疾患であり,日本経済の高度成長に併い患者数が増加した。従来は免疫異常が主体と考えられていたが,アトピー性皮膚炎患者に天然保湿因子であるフィラグリン遺伝子の変異が高頻度にみられたことより,皮膚のバリア機能の破綻も,アトピー性皮膚炎の発症に重要であることがわかってきた。
アトピー性皮膚炎の従来の治療は,ステロイドやタクロリムスの外用療法が中心であった。しかしながら,近年IL-4受容体に対する生物学的製剤が登場し,また新たな薬物が続々と登場予定であることから,治療の変革期を迎えつつある。
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