特集 アレルギー
【各論】
9.アレルギー性結膜疾患—分類と診断,点眼薬を中心とした治療法
三村 達哉
1
Tatsuya MIMURA
1
1帝京大学医学部 眼科学講座
pp.87-99
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900757
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アレルギー性結膜疾患allergic conjunctivitis disease(ACD)は,Ⅰ型アレルギー反応による結膜の炎症性疾患である。異種の抗原の結膜への曝露によって,生体内で特異的な免疫反応が起きることによって生じる,結膜の炎症を総称した疾患で,その病型により,①アレルギー性結膜炎(季節性・通年性),②アトピー性角結膜炎,③春季カタル,④巨大乳頭結膜炎に分類される。即時型としては,花粉などの季節性アレルギーや,ハウスダストなどによる通年性アレルギーなどにより引き起こされるアレルギー性結膜炎がある1〜13)。
抗アレルギー点眼薬で治療するが,重症化した場合には免疫抑制点眼薬やステロイド点眼薬を併用する。ステロイド点眼薬で治療する場合には,副作用として眼圧上昇による緑内障の発症に注意する必要がある。血清中および涙液中の抗原特異的IgE抗体を測定する研究も行われており,今後の抗原特異的免疫療法への利用が期待されている。
本稿では,ACDの分類と診断,そして各病態に合わせた治療法について解説する。
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