特集 アレルギー
【総論】
2.アレルギーの病態生理—病態生理の理解は治療選択に直結する
今村 充
1
Mitsuru IMAMURA
1
1聖マリアンナ医科大学 リウマチ・膠原病・アレルギー内科
pp.9-16
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900747
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生体は感染症から身体を防御するため,さらには,悪性腫瘍など異常な自己の細胞から個体を守るために免疫機構を発達させてきたと考えられる。免疫機構が破綻して,正常な自己の細胞・組織を障害するようになったものが自己免疫疾患であり,本来無害な外来抗原を攻撃して有害な免疫反応が起きてしまうのがアレルギー疾患である。
アレルギー疾患において中心的な役割を果たす免疫機構は,本来は原虫・寄生虫感染に対する防御機構として発達しているものが多い。免疫グロブリンE(IgE),インターロイキン(IL)-4,IL-5などを標的とした生物学的製剤がアレルギー疾患において近年使用可能となり,病態生理の理解は治療選択に直結する。
本稿では,アレルギー疾患一般に共通する病態生理について,最新の知見を交えて概説する。
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