増加するアレルギー疾患 内科医にとっての最良のアプローチとは
増加しつつあるアレルギー病態への理解と対応 蕁麻疹の病態と対応
金子 栄
1
,
森田 栄伸
1島根大学 医学部皮膚科学講座
キーワード:
蕁麻疹
,
妊娠合併症
,
分類
Keyword:
Classification
,
Pregnancy Complications
,
Urticaria
pp.581-585
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010137773
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蕁麻疹は、一過性、限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり、多くは痒みを伴う。個々の皮疹は24時間以内に消退する。皮膚ないし粘膜の深部に限局性浮腫を生じる場合は血管性浮腫と呼ぶ。病態は何らかの機序により皮膚マスト細胞が脱顆粒し、ヒスタミンをはじめとする生理活性物質が皮膚組織内に放出されることで膨疹が生じるものである。治療は原因および誘因の除去・回避が主体となり、症状に対しては薬物療法を行う。誘因が不可避の場合や特発性の蕁麻疹に対しては薬物療法(抗ヒスタミン薬/抗アレルギー薬)が主体となる。抗ヒスタミン薬/抗アレルギー薬による治療によっても2週間以上症状が沈静化しない場合や、ショック症状などの重篤な症状を繰り返している場合は専門医に紹介することも大切である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010