特集 抗血小板薬,抗凝固薬のすべて
【コラム④】DOACの最新エビデンス—ダビガトラン登場から7年:群雄割拠時代の研究の動向
池村 修寛
1
,
澤野 充明
1
Nobuhiro IKEMURA
1
,
Mitsuaki SAWANO
1
1慶應義塾大学病院 循環器内科
pp.500-508
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900697
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2012〜2017年に,国内でも各製薬会社から非弁膜症性心房細動患者を対象とした4種類の直接経口抗凝固薬(DOAC*1)が発売された。最初に登場したダビガトランの発売開始からすでに7年もの月日が経ち,2019年現在は各社のアピール(およびスキャンダル)により群雄割拠時代に突入している。処方する医療者側としては,従来のワルファリンと比較してはるかに管理しやすく(採血結果に応じた処方量変更の必要がない),患者側としてみれば,食事制限もなく外来受診のたびに採血を要さないことから「処方しやすい」薬となった。また,ワルファリンとの比較検証において数々のエビデンスが各薬剤について示されたことから,DOACは費用対効果検証が虚しくなるほどの近年まれにみるブロックバスター・ドラッグとなった。
本稿では,2017年以降に学術的に公表されたDOACに関する国内外のエビデンスを紹介する。
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