特集 心不全
Part 1:総論
1.心不全の疫学,心不全予後予測スコアとその使い方—効果的かつ効率的な医療を実践するために
白石 泰之
1
Yasuyuki SHIRAISHI
1
1慶應義塾大学医学部 循環器内科
pp.793-805
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900605
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近年の世界的な心不全患者の増加は「心不全パンデミック」とよばれ,医療だけでなく社会・経済面でも大きな問題となる可能性を孕んでいる。今後の心不全診療を考えるうえで,国内外における心不全の有病率や発症率,そして予後を把握することは重要である。
心不全にかかる経済的負担が膨らみ続けるなかで,前時代的な「均一の医療」から「テーラーメード医療」への転換が必要であり,予後予測(リスク評価)に基づいた効果的かつ効率的な医療の実践が望まれている。本稿では,複数の臨床的な予後因子を組み合わせた心不全リスクモデルと,その臨床使用についても合わせて概説する。
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