特集 腎疾患2
【慢性腎臓病(CKD)】
【コラム⑨】ネフローゼ症候群の治療—基本となるステロイド療法と新たに適応となったリツキシマブ
西本 雅俊
1
,
赤井 靖宏
2
Masatoshi NISHIMOTO
1
,
Yasuhiro AKAI
2
1奈良県立医科大学 腎臓内科
2奈良県立医科大学 地域医療学講座
pp.170-177
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900518
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ネフローゼ症候群は,血清アルブミン値3.0g/dL以下に加え,尿蛋白量3.5g/日以上の蛋白尿を呈する。一部の尿細管障害を除き,一般的に高度の尿蛋白陽性は糸球体の障害を示しており,その持続は,糸球体障害が現在も持続していることの反映である。
ネフローゼ症候群とはこのような特徴的な臨床像を示すclinical syndromeであり,特発性(一次性)のものと,他疾患に寄因する二次性のものに分けられる。二次性のネフローゼ症候群は基本的に原疾患の治療を優先するため,本稿では特発性ネフローゼ症候群の機序ならびに治療に関して言及する。また,新たに適応となったリツキシマブについて,これまでのエビデンスを交えて概説する。
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