適正な輸液とは何か? 電解質・酸塩基平衡異常補正の輸液
ナトリウム代謝異常に対する補正の実際
宮内 隆政
1
1聖路加国際病院 腎臓内科
キーワード:
Sodium
,
高ナトリウム血症
,
脱髄疾患
,
低ナトリウム血症
,
水-電解質平衡異常
,
輸液療法
,
アルゴリズム
,
重症度指標
,
浸透圧調節
,
不適切な処方
,
維持液
,
自由水
Keyword:
Algorithms
,
Demyelinating Diseases
,
Hypernatremia
,
Hyponatremia
,
Severity of Illness Index
,
Sodium
,
Water-Electrolyte Imbalance
,
Inappropriate Prescribing
,
Osmoregulation
pp.23-30
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017288227
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Na異常症はわれわれが最もよく直面する電解質異常である.Na異常はNaの絶対量が多い・少ないということではなく,Na濃度がどうかを常に考える必要がある.Na異常症は浸透圧系の異常であり,自由水の異常である.自由水が多ければ低Na血症になり,自由水が少なければ高Na血症になる.Na異常症の治療においては,過補正時の浸透圧性脱髄症候群(ODS)の合併のリスクがあり,常に過補正に留意する必要がある.Na異常症では過補正を予防するために治療介入でどの程度補正されるかを考えながら治療を行っていくことが重要になる.ODSは症状発現が数日遅れることもあるので,翌日症状が大丈夫でも安心しないことを認識しておくことは重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2017