特集 膠原病
【各論】
10.関節リウマチ—病歴聴取では関節症状の起こり方,病状の進展に注目する
井畑 淳
1
Atsushi IHATA
1
1国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院 リウマチ感染症内科
pp.415-437
発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900366
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
患者が初診外来を受診する際の主訴は,大きく分けると「関節が腫れる」「関節が痛い」「検診でリウマトイド因子が陽性」の3パターンになると考えられる。アプローチとしては上記を主訴にした患者が,関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)という疾患概念に当てはまるかどうかを検討していくことになる。ここでの問題は「関節が痛い」という訴えを関節炎の症状として解釈できるかどうかということである。「頭痛」は「髄膜炎」と同じではないし「腹痛」も「腹膜炎や胆囊炎」と同義ではない。同様に「いわゆる関節痛」,特に自発的な関節痛や運動時の関節痛を「関節炎」と同義にとらえてはいけない。この誤解が,変形性関節症をRAととらえたりという,over diagnosisのもとになることがあると考える。
Copyright © 2014, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.