連載 老年医のカルテ・第2回
老年医のコンサルテーション:急性期病棟でのコンサルテーション
玉井 杏奈
1,2
1台東区立台東病院 総合診療科
2東京大学医学部在宅医療学拠点
pp.246-250
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900294
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今回は,米国で老年医が急性期病棟においてコンサルテーションを受ける状況を症例ベースでお示ししたい。老年医へのコンサルトの依頼内容としては,認知症やその周辺症状の評価と治療,薬物の整理,周術期の合併症予防対策,適切な療養環境の評価と整備などが多いが,今回取り扱うように,ケア全体のゴール設定や家族との話し合いのサポートを依頼されることも多い。
米国では人工呼吸器の使用を中断することも法的に認められており,ICUなどでまったく回復の見込みがないまま,苦痛を引き延ばしているように思われる(medical futility)状態の際などにも,介入を依頼されることがある。一般に老年医は主治医であるホスピタリストと比較して,時間的余裕をもって俯瞰的に患者の状況を分析することが許されるため,思わぬ事実や背景要因に遭遇することも多い。日本では老年医がコンサルタントとして勤務する状況は少ないと思われるが,病棟医が以下のような対応に難渋するケースに遭遇することは日常茶飯事であろう。何かのヒントになれば幸いである。
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