特集 循環器疾患1
【コラム】血栓溶解療法の適応—FMC-device time>90分が予想される場合は考慮
伊藤 大樹
1
Hiroki ITO
1
1あおばクリニック
pp.706-713
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900228
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
比較的狭い国土に加え,地方の中小規模病院まで経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が普及した日本では,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に対する血栓溶解療法が話題となることはほとんどない。血栓溶解剤を使用する機会はヘリ搬送が必要な離島や僻地に限られている,と思っている読者も多いのではないだろうか。日本循環器学会(JCS)ガイドライン1)ではSTEMI患者がPCIのできる病院(PCI capable hospital)とできない病院(non-PCI capable hospital)のいずれに来院しても,FMC(first medical contact)から90分以内にPCIを行うことがすすめられている。だが,果たしてこれが皆さんの働く病院とその周辺地域で可能かどうか想像してほしい。意外に都市のど真ん中でも血栓溶解療法の適応となるケースがあるのではないだろうか。
Copyright © 2015, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.