特集 循環器疾患1
【コラム】バイオマーカー:トロポニンの特性とピットフォール—適切な解釈のために知っておくべきこと
西尾 亮
1
Ryo NISHIO
1
1兵庫県立柏原病院 内科
pp.586-593
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900215
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急性冠症候群(ACS)の診断・治療が確立していくなかで,より早期に正確な診断を行い,治療を導入していくことが求められてきた。そこで早期のACSの診断に欠かせないものが胸部症状,心電図,心臓超音波検査,バイオマーカーであり,感度・特異度の非常に高い心筋トロポニンのようなバイオマーカーは,客観的に判定できる指標として重宝されている。ただ,検査前確率や偽陽性・偽陰性の可能性を考えずに出した心筋トロポニンの結果は,むしろ混乱を生む可能性をはらんでいる。本稿では,予想外の結果が出た際に,結果の解釈の一助となるよう,その特性について概説する。
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