特集 Respiratory ECMO 2.0
Respiratory ECMOの生理学:人体とECMOの相互作用を理解する
⓭ ECMO管理中の出血原因として忘れてはいけない4つの病態—出血性合併症の上流には何が隠れているのか?
星野 耕大
1
Kota HOSHINO
1
1沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 救命救急センター
キーワード:
血小板減少
,
線溶系亢進
,
凝固障害
,
後天性von Willebrand症候群
,
回路の内皮化
,
トロンビン
Keyword:
血小板減少
,
線溶系亢進
,
凝固障害
,
後天性von Willebrand症候群
,
回路の内皮化
,
トロンビン
pp.447-454
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201198
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はじめに
「なぜECMO患者はこんなにも出血するのか?」こんな疑問を抱いたことはないだろうか。抗凝固薬を中止しても,血液検査では凝固系の異常は目立たなくても,ECMO患者は止血に難渋することばかりである。
これには,ECMOの影響で引き起こされる「ECMO関連の凝固線溶系異常」が隠れている。時に,ECMO関連の凝固線溶系異常は複雑に絡み合い,負の連鎖を生み出し,出血はコントロール不可能となる。
本稿では,この複雑なECMO関連の凝固線溶系異常を「血小板減少」「線溶系亢進」「凝固障害」「後天性von Willebrand症候群」の4つに分類して解説する。
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