特集 災害とICU
Part 1.ICUと災害対応計画
【コラム】2020オリパラに向けた日本集中治療医学会の活動に参加して—2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急・災害医療体制を検討する学術連合体(コンソーシアム)とは?
櫻井 淳
1
Atsushi SAKURAI
1
1日本大学医学部 救急医学
pp.252-254
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200738
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はじめに
2021年夏に,第32回オリンピック競技大会,東京2020パラリンピック競技大会(以下2020オリパラ)が開催されることとなり,成果は後世に残るレガシー(遺産)となると期待されている。2020オリパラは,国際的な大規模イベントでありマスギャザリングmass gatheringを見据えた医学的なアプローチが必須であると判断し,日本救急医学会を幹事学会として,2016年5月に2020年東京オリンピック・パラリンピックに係る救急災害医療体制を検討する学術連合体(通称コンソーシアム*1)が設立された1)。2020年3月現在では計27団体が参加し,2020オリパラに関するさまざまな医療の問題への取り組みを進めている(表1)。
筆者は2016年の夏に上司の木下浩作教授(日本大学 医学部 救急医学)から,「日本集中治療医学会員のなかから,オリパラの準備のための組織に参加する,開催地域の医師の推薦を頼まれたけど引き受けていただけませんか?」との依頼を受けた。そして,黒田泰弘教授(香川大学医学部附属病院 救命救急センター)とともに日本集中治療医学会派遣委員としてコンソーシアムの活動に参加し,2020オリパラ準備を進めてきた。このコラムでは,この準備活動の経緯を記述することで,ICUでの災害対応の意義,現況や対策方法等を浮き彫りにできればと考えている。
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