特集 ICUにおける神経内科
Part 4 神経筋疾患に対するベッドサイド検査
14. 神経伝導検査・針筋電図検査—ICUでの適応と注意点
山㟢 博輝
1
,
野寺 裕之
1
Hiroki YAMAZAKI
1
,
Hiroyuki NODERA
1
1徳島大学病院 神経内科
pp.891-897
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200330
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神経筋疾患(Guillain-Barré症候群や重症筋無力症,筋萎縮性側索硬化症など)は安定期においては,通常,神経内科医が外来通院や一般入院,在宅療養などで管理している。ただし,重症例や急性増悪時にはICUでの管理なくしては,救命や迅速かつ適切な治療を行えない場合が少なくない。
本稿では,ICU現場での神経疾患に対する検査の注意点や,神経電気生理検査のもたらす有用性について概説する。
Summary
●神経伝導検査と針筋電図検査では,予想される経時的経過をふまえて評価することが重要である。
●抗凝固薬あるいは抗血小板薬内服中の患者に対する針筋電図検査は,症例ごとに適応を慎重に見極めるべきである。
●反復神経刺激試験は,重症筋無力症(特にクリーゼ)の迅速な病状把握に有用であるが,検査のピットフォールを熟知しなければならない。
●ICUで行う神経伝導検査と針筋電図検査は,技術的困難があることを認識し,短時間でかつ効率よく行うよう努めるべきである。
●横隔膜記録の神経伝導検査では,非侵襲的に呼吸機能や術後の横隔神経損傷の評価を行うことが可能である。
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