特集 内分泌・代謝・電解質
診断力が試される内分泌緊急症—Thomas Addisonはなにを教えてくれるか?
植西 憲達
1
Norimichi UENISHI
1
1藤田保健衛生大学 救急総合内科
pp.441-444
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200180
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はじめに,本特集「内分泌・代謝・電解質」の内容とコンセプトを簡単に紹介したい。まず酸塩基平衡異常や電解質異常は集中治療医にとっては日常的に向き合う問題であるため,本特集では通常の教科書的な内容は避け,集中治療における考え方や集中治療医が普段疑問に感じるであろう問題を中心に扱うこととした。したがって,内容はかなり詳細かつ実践的なものとなっている。酸塩基平衡異常や電解質異常に関する検査や治療(補正)についてのエビデンスが散りばめられている。内分泌疾患に関しては,いわゆる緊急症(クリーゼ),つまり生命を脅かす疾患を中心にまとめている。一部の内分泌緊急症に関しては,遭遇頻度の低さからあまり知られていない可能性も考慮し,その疾患の全体像がわかるような内容も紹介するように心掛けている。
また,ICUでしばしば検査の解釈や治療の是非が云々される相対的副腎不全,nonthyroidal illness,副腎皮質ホルモンの補償といったトピックスについて,現在どのような議論があるかをエビデンスをふまえて紹介している。
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