特集 ECMO
【コラム】pumpless ECLA―iLA Membrane Ventilatorの有用性とその可能性
今井 寛
1
Hiroshi IMAI
1
1三重大学医学部附属病院 救命救急センター
pp.360-366
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100536
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pumpless ECLA
補助循環として施行される体外循環法には,心肺補助に力点をおくVA ECMO (venoarterial extracorporeal membrane oxygenation),いわゆる経皮的心肺補助法percutaneous cardiopulmonary support(PCPS)と,呼吸補助を主眼とする体外式肺補助extracorporeal lung assist(ECLA)がある。
ECLAには,主に酸素化を目的としたVV ECMO(venovenous extracorporeal membrane oxygenation)と,二酸化炭素除去(換気)を目的としたVV ECCO2R(venovenous extracorporeal CO2 removal),そしてAV ECCO2R (arterio-venous extracorporeal CO2 removal,いわゆるpumpless ECLA)がある(図1,表1)。
Summary
pumpless ECLAとは,
●人工肺を用いる呼吸補助法で,患者の動静脈の圧較差によって人工肺流量を得て血液のガス交換を行い,主として血液中の二酸化炭素の除去を行う。
●肺保護戦略に基づいた人工呼吸療法下において,十分なガス交換,特に二酸化炭素の除去が困難である臨床病態が適応となる。
●膜型人工肺の性能向上により,膜のlifetimeが29日間と,従来の人工肺に比べ,極めて長期間にわたって施行可能である。
●将来のARDSに対する呼吸管理に新しい概念をもたらす可能性のある,ユニークな呼吸補助法である。
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