特集 栄養療法
【コラム】低アルブミン血症に対するアルブミン製剤投与の是非―アルブミンの生理作用からの考察
篠澤 洋太郎
1
Yotaro SHINOZAWA
1
1国際医療福祉大学病院 救急医療部
pp.486-500
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100070
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急性傷病における低アルブミン血症は予後不良に関与する。人工膠質液により膠質浸透圧を維持しても低アルブミン血症が死亡率増加に関連することから,アルブミンの膠質浸透圧維持以外の生理作用,すなわち,抗酸化,アポトーシス予防,脂質・薬物・有害物質・その他のリガンドとの結合などの作用の欠落が病態増悪に関与している,と考えられる。しかしながら,急性傷病における低アルブミン血症に対するアルブミン投与の有用性は,いくつかのシステマティックレビューにおいても明らかにされているとはいえない。本稿では,文献,自験例から,急性傷病の病態別にアルブミン製剤投与の是非を考察する。
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