徹底分析シリーズ どうする? 小児の困難気道管理—学んでおいてよかった,と思えるために
小児の外科的気道確保—まずはKnowsからShows howにしませんか
松田 弘美
1
,
釜田 峰都
2
Hiromi MATSUDA
1
,
Mineto KAMATA
2
1北里大学医学部 麻酔科学教室
2埼玉医科大学国際医療センター 麻酔科
pp.1108-1112
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202712
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
FONA(front-of-neck access/airway)は,マスク換気や挿管などで酸素化が保てない状態での気道確保の最終手段である。小児,特に低年齢児では酸素予備能が低いため,低酸素血症から心停止に至るまでが成人より早い。小児で酸素化が保てない状況に陥った場合,麻酔科医であればFONAはすぐに頭をよぎるだろうが,事前にトレーニングなど準備を行っていない場合は,具体的な方法や行動には結びつかないはずである。残念ながら小児では,年齢による解剖の違いや使用できるデバイスの問題から,確立された方法がないのが現状である。そのためガイドラインでは,緊急時に施行できるようFONAに関する知識の習得だけではなく,ハンズオンなどのトレーニングも推奨されている。
本稿では,小児の外科的気道確保・FONAについて,解剖,小児で使用可能なデバイスや手技,ガイドラインにおける位置づけを中心に概説する。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.