徹底分析シリーズ 一歩踏み込む搬送医療—患者搬送のサイエンスとアート
巻頭言
川口 敦
1
1聖マリアンナ医科大学 小児科学教室
pp.641
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202284
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- 文献概要
特集サブタイトルをご覧になって,「いったい何を“科学する”のか?」と疑問に思われた方があるかもしれない。しかし搬送医療は,特にこの四半世紀の間に「搬送医学transport medicine」として確立した一学問領域となり,海外では救急医学や集中治療学関連学会に専門分科会が設けられ,臨床ガイドラインが発表されている。
一方,日本でも搬送にかかわる診療費(乳幼児加算や長距離加算など)が各種保険請求できるようになり,現在,日本集中治療医学会が中心となって診療ガイドラインの策定が進んでいる。
そこで,本徹底分析シリーズでは,院内搬送,病院間搬送,各種搬送手段の特徴などのほか,昨今コロナ禍で話題となっている体外式膜型人工肺(ECMO)を装着した患者の搬送などについて,それぞれ臨床の最前線で奔走しておられる方々に解説いただいた。周術期管理に携わる医師にとってもますます身近な問題となるこの搬送医療は,さまざまな知識や知見が有機的に機能することで安全かつ効率的に成り立っている,ということをぜひ知っていただきたい。
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