こどものことをもっと知ろう 第39回
性教育は人権教育—わたしのからだはわたしのもの。SOSを受け取れる大人に
髙橋 幸子
1
Sachiko TAKAHASHI
1
1埼玉医科大学 医療人育成支援センター・地域医学推進センター/産婦人科/医学教育センター
pp.632-635
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202281
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麻酔科医 10代の性行動が盛んになっているって聞きます。だから性教育が必要なんですよね。
産婦人科医 大学生や高校生の性交経験率は実は減少しているんですよ(図1)1)。2003〜2005年頃をピークに大人を含む日本人の性行動は減少してきています。
麻酔科医 あれ,じゃあなぜ最近性教育が大事って言われるようになってきたんですか。
産婦人科医 中学生を見ると,性交の経験率は増加しているんです(図2)。若者の性行動は二極化しています。性行動の低年齢化と,むしろ,大人になっても性的なふれあいを求めない人が増えているという二極化です。
麻酔科医 低年齢化を考えると,義務教育での性教育が必要ですね。
産婦人科医 誰しも性的なプレジャーを享受することは権利だとされています。性教育の最終的な目標は「一人一人がその人らしく生きることができる」ということ。また,その中に「安心できるパートナーとの豊かな性を楽しむこと」や「性暴力の被害者・加害者にならないこと」も含まれます。小さいころから段階的に積み重ねてゆく包括的な性教育が求められています。
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