徹底分析シリーズ —一時総括—COVID-19時代の麻酔
COVID-19の第1波で全身麻酔はどれくらい減ったか—Twitterの投票機能と数理モデルで全身麻酔件数を推定する試み
藤井 庸祐
1,2
,
大条 紘樹
3
,
広田 喜一
2
Yosuke FUJII
1,2
,
Hiroki DAIJO
3
,
Kiichi HIROTA
2
1大津赤十字病院 麻酔科
2関西医科大学附属生命医学研究所 侵襲反応制御部門
3宝塚第一病院 麻酔科
pp.164-169
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201901
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2020年1月,中国で新興感染症が発生している1)らしいというニュースを目にした。2月頃にはダイヤモンド・プリンセス号が連日テレビを賑わせ,いつのまにやら日本国内に感染者が急増していた。
筆者(藤井)の所属先も「不要不急の手術」は中止もしくは延期となった。不要不急の手術とはいったい…という筆者の疑問を尻目に手術麻酔の件数は減少し,代わりにICU患者の管理であったり,COVID-19疑い患者の呼吸状態が悪化して挿管を頼まれたりと,手術麻酔以外の業務を行うようになった。
手術室で過ごす時間が減った代わりに,ネットでCOVID-19関連の情報を集める時間が増え,そこでTwitterのとあるアンケートを目にした2)(図1)。Twitterとは,匿名・実名どちらでも利用可能なsocial networking service(SNS)の一つで,140文字以内で投稿,すなわち「つぶやく(tweet)」ことができる。筆者が目にしたのは,2015年から追加されたアンケート機能を利用したものだった。
これを見て「COVID-19流行期における全国の全身麻酔件数はどれくらいか推定できないだろうか」と思い立ったのが本稿執筆の経緯である3)。
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