徹底分析シリーズ 麻酔科からの「お・も・て・な・し」—ラグビーワールドカップ,そしてTOKYO2020
大規模スポーツイベントとテロ,そして医療のかかわり—戦傷医療の知見から学ぶべきこと
永田 高志
1
Takashi NAGATA
1
1九州大学大学院医学研究院 先端医療医学講座 災害・救急医学分野
pp.646-650
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201417
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2019年4月21日にスリランカで発生した同時多発テロ事件の背景には,ISIL(Islamic State in Iraq and the Levant)いわゆる「自称イスラム国」の影響を受けたイスラム過激派の関与が考えられている。従来,アジア圏にはこれに関連するテロがほとんど発生していなかっただけに,イスラム過激派のアジアへの浸透が懸念される1)。この点は2019年ラグビーワールドカップ,2020年東京オリンピック・パラリンピック,2025年日本国際博覧会開催において留意しなければならない。テロ対策の基本は,インテリジェンスや公安機関による防止であるが,一度事案が発生すれば,大量の傷病者が発生するため,病院前救護を含む救急医療が果たす役割は大きい2)。
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