症例カンファレンス
CSEA後神経障害の既往のある妊婦
新原 朗子
1
,
中川 元文
1
,
狩谷 伸享
2
,
丸山 由起子
3
,
大畑 めぐみ
3
,
山下 陽子
4
,
佐藤 正規
4
,
田村 高子
4
Nobutaka KARIYA
2
,
Yukiko MARUYAMA
3
,
Megumi OHATA
3
,
Yoko YAMASHITA
4
,
Masaki SATO
4
,
Takako TAMURA
4
1恩賜財団母子愛育会愛育病院 麻酔科
2兵庫医科大学 麻酔科学・疼痛制御科学講座
3武蔵野赤十字病院 麻酔科
4国立成育医療研究センター 手術集中治療部麻酔科
pp.1237-1252
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201260
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脊髄幹麻酔に関連する神経障害の既往のある患者の麻酔方法を考えるとき,何を基準にするのかが,今回のテーマである。
過去に脊髄幹麻酔に関連する神経障害のエピソードがあると,脊髄幹麻酔の施行が忌避される傾向がある。周術期の神経障害の原因はさまざまであり,麻酔やその手技が原因でないことも多い。やみくもに脊髄幹麻酔を避けるだけでは再発は予防できない。前回その障害がなぜ起こったのか考察して,麻酔法の選択や術中術後の体位や肢位などを顧りみて,周術期管理の改善に生かしていくことが大切である。
いきなり選択肢を狭めず,原因をしっかりと考察したうえで,それぞれの麻酔方法のメリット,デメリットについて熟考する。そして,何を選択しようがデメリットはなくならないのであるから,事前に患者への説明をしっかりと行い,信頼関係を作っておくことが大切である。
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