“国試の「正解」に異議あり”に賛同
第112回医師国家試験のプライマリケア系気道管理問題に物申す
讃岐 美智義
1
1広島大学病院 麻酔科
pp.1102-1103
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201232
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第112回医師国家試験の問題No.112E 42は,気道管理の問題であり,臨床的な背景を理解して気道確保器具を選択させる“新しいタイプ”の問題である。臨床経験のない医学生にとって,気管挿管でも経口なのか経鼻なのか,エアウェイなのか声門上器具(SGA)なのかを根拠をもって選択することは難しい。その証拠に,某予備校の調査によると本問の正答率は50%を下回っている*1。
本問はE問題(B問題,E問題は必修問題)の臨床実地問題として出題され,配点は1問3点である(一般問題や医学総論,医学各論は1問1点)。その意味でも,重要問題である。これまでにもプライマリケア問題の必修問題で,「まず行うべき処置はなにか」という問いで,気道確保,気管挿管が正解となる臨床問題は何度も出題されているが,本問のように気道確保器具が5種類も並べられたことはなかった。本問の作成者は,患者の現病歴などを読み解けば,麻酔を生業とする医師ではなく,脳神経外科系や内科系医師,もしかすると救急系医師ではないかと想像される。本誌2018年8月号に掲載された髙田真二氏の“国試の「正解」に異議あり”を拝読し,私も気道管理のエキスパートとして,麻酔科医の視点からのコメントを述べてみたい。
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