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第2回プライマリケア学会から
編集室
pp.558
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206902
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東京の開業医グループが母体となって,昨年発足したプライマリケア学会が,さる6月9,10日の両日,笹川記念会館(東京都港区三田)において第2回プライマリケア学会を開催した.参加者は600人といわれる.一般演題73,シンポジウム3題,パネルディスカッション1など,昨年と比べると,いずれも極めて公衆衛生学的色彩の濃い内容であった.ここでは特に武見日医会長と藤野志朗中大教授の二つの講演の内容を紹介するにとどめる.
「プライマリケアの展開過程」と題して武見会長は,まず行政主導型の我が国の医療体制下では,プライマリケアの実践はまず不可能に近い,と前置きした後,プライマリケアとは,発病前からリハビリまで,一貫してコントロールの下に置くことであると定義し,家庭的ストレスや職域的ストレスなどpreclinicalな段階でのコントロールも大切であると語った.またプライマリケアの実践は医学以外の経済学を中心とした諸生活科学の参加が必要であると同時に地域における職能的組織化が必要であり,更にpreclinicalな環境整備から産業医学との結合まで必要であり,これは国民の参加なしにはできないと語った.また,その実践に当たっては,地域の実情に見合った医療的,社会的(施設など),経済的計画性が大切であると述べ,今後プライマリケアは医師会病院と地域保健調査会が中心になって展開されるべきものであると結んだ.
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