徹底分析シリーズ 麻酔科医と滅菌
滅菌とは—手術を変えた大発見は麻酔と滅菌
水谷 光
1
Koh MIZUTANI
1
1大阪労災病院 麻酔科・中央材料室
pp.1072-1076
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201225
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麻酔が発見される前から手術は行われていた。ある病院には大きな鐘があり,手術を始める時にガランガランと鳴らして街の大男を集め,痛みで暴れる患者を押さえ付けて手術したとのこと。地獄である。麻酔は世紀の大発見であった。
同様に,滅菌が発見される前から手術は行われていた(表1)。そのため,術後は必ず高熱で意識朦朧の瀕死状態となり,かなりの患者は死んだ。敗血症である。体力のある,強運の持ち主だけが生き残ったのである。手術は決死の覚悟で行うもので,手術しなければ死は間違いない患者にだけ,行われたのだろう。
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