徹底分析シリーズ 術前内服薬はそれでいいのか?—止めてはいけない理由,続けてはいけない理由を知る
糖尿病薬—継続か休止か,各薬品の使用目的とリスクの理解にもとづき判断しよう
石原 聡
1
Satoshi ISHIHARA
1
1手稲渓仁会病院 麻酔科・集中治療室
pp.686-690
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201152
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
日本国内の糖尿病の患者数は316万人(2014年厚生労働省患者調査)に達し,麻酔科医にも糖尿病患者の管理は日常的となっている。糖尿病あるいは高血糖が周術期のさまざまなリスクを増大させることは広く認識されている。非心臓手術を受ける患者を対象とした観察研究から,糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて,手術部位感染・肺炎・尿路感染・血流感染の頻度が2〜3倍,急性心筋梗塞や急性腎傷害の頻度が2倍,死亡率も1.5倍に及ぶことが報告されている1)。ここには糖尿病や合併症の病態ばかりでなく,治療薬の不適切な管理も関与していると言われる2)。
Copyright © 2018, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.