症例検討 術前シミュレーション
Eisenmenger症候群患者の卵巣腫瘍摘出術—非侵襲的陽圧換気を用いた呼吸・循環状態のシミュレーション
外山 裕章
1
,
齊藤 和智
1
,
江島 豊
1
Hiroaki TOYAMA
1
,
Kazutomo SAITO
1
,
Yutaka EJIMA
1
1東北大学病院 麻酔科
pp.910-916
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200955
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症例
24歳の女性。身長149cm,体重55kg。生下時より心雑音とチアノーゼを指摘され,巨大心室中隔欠損ventricular septal defect(VSD),肺動脈閉鎖pulmonary atresia(PA),大動脈右室騎乗,主要大動脈肺動脈側副動脈major arterio-pulmonary collateral artery(MAPCA)を伴うFallot四徴症と診断された。肺高血圧が長期間継続しEisenmenger化していたため心臓手術の適応はなかった。
他院にて6年前に卵巣腫瘍を指摘されたが,周術期リスクが高いため,全身麻酔の施行は困難とされた。1年前より腫瘍増大(図1)による腹部膨満感が出現し,精査加療目的に当院婦人科に紹介された。手術可否の判断を含め,当院麻酔科外来に紹介された。
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