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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Felson DT. Safety of nonsteroidal antiinflammatory drugs. N Engl J Med 2016;375:2595-6.
Article:
Nissen SE, Yeomans ND, Solomon DH, et al. Cardiovascular safety of celecoxib, naproxen, or ibuprofen for arthritis. N Engl J Med 2016;375:2519-29.
■NSAIDsの副作用:COX-2の選択的阻害では心血管系合併症頻度が増加する?
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は,慢性痛やがん性疼痛の治療のほか,術後痛の治療にも用いられる。NSAIDsはシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し,プロスタグランジンの生成を抑制することで,鎮痛作用のほか,抗炎症作用,解熱作用を発揮する。現在,使用されているNSAIDsのほとんどは,COX-1およびCOX-2を阻害する非選択的なものである。非選択的阻害作用をもつNSAIDsは,出血や潰瘍形成を含む上部消化管障害や腎障害を起こすことがある。一方,COX-2選択的なNSAIDsは,鎮痛作用,抗炎症作用,解熱作用をもつものの,上部消化管障害や腎障害を起こしにくいとされている。しかし,心血管系の血栓・塞栓症を起こしやすく,心筋梗塞の頻度も上昇するとされ,COX-2選択的阻害薬であるrofecoxibは2004年に販売中止となった。現在,市販されている選択的COX-2阻害薬はセレコキシブのみである。
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