Tomochen風独記
㉖ Bernd大好き
山本 知裕
1,2
1アスクレピオス小児病院ザンクトアウグスティン
2ドイツ心臓センターザンクトアウグスティン 麻酔科
pp.98-99
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200766
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- 文献概要
今回はある上司(ドイツ的には“上級医Oberarzt”)を紹介します。彼の名はBernd。彼との出会いは,私がドイツに来たばかりの2012年春でした。すでに50代後半で定年間近のBerndは,麻酔科の最年長者。当然,科長(Chef)や筆頭上級医(Leitender Oberarzt,日本でいう医局長のようなもの)よりも年上でしたが,科長や筆頭上級医がしているようなデスク業務は面倒くさいし肩書きや地位にも興味はないといった雰囲気を漂わせていました。かといって,何十年も麻酔を漫然とやってきたという訳ではなく,豊富な経験に裏打ちされた彼は,われわれ麻酔科医にとっての生き字引なだけでなく,外科医からも全幅の信頼を寄せられる存在でした。時には外科医に毅然と物申すこともありましたが,それでいて偉ぶることもなく,麻酔中はいつも冷静で淡々としていました。その一方で,子供のように好奇心旺盛で,私は彼のことが大好きでした。そんな彼の武勇伝(?)を紹介します。
ちなみに,以前(2015年9月号)に紹介した「心臓麻酔終了時に余っていたモルヒネを患者の顔にピューっとかけて汚れを拭いた」のもBerndです。
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