当世 問はずがたり
ばばを引いても負けるが勝ち,か…
石黒 達昌
pp.91
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200763
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アメリカ大統領選挙が終わりました。結果はご存知のように,あっと驚くトランプの勝利。知名度は別として,序盤から終盤まで,ほぼ一貫して本命ではなかったのは,これまでの大統領選の公式通りだとしても,今回は異例づくしでした。なので,今回に限って言えば,五月雨式に候補が抜けていく慣習に逆らって,本命視されていたジェフ・ブッシュあたりが終盤まで残っていればなあと,これは個人的な感想です。
とはいえ,これからのことを考えるに,あれだけ広げた風呂敷のどれだけが実行可能なのか,興味のあるところではありますが,マスコミが繰り返しているようにトランプ氏は決してわかりにくい人物ではありません。むしろ単純な人物。蓋し,彼の思想はただ一つ,「利益」という概念で貫かれています。それも金銭的な「利益」。アメリカをもう一度グレートな国にするというのも,そういう意味でのグレートさであって,世界のリーダーたるグレートさではないので,ペイしない国から武力を引き上げることに何の躊躇もないでしょう。
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