連載 判例ピックアップ 第6回
脊髄くも膜下麻酔時に2分間隔で血圧を測定しなかった—能書の記載と医療慣行の不一致
奥田 泰久
1
1獨協医科大学越谷病院 麻酔科
キーワード:
脊髄くも膜下麻酔
,
能書(添付文書)
,
血圧測定間隔
,
ペルカミンS
Keyword:
脊髄くも膜下麻酔
,
能書(添付文書)
,
血圧測定間隔
,
ペルカミンS
pp.896-901
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200669
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●Summary
・脊髄くも膜下麻酔に使用した局所麻酔薬の能書(添付文書)に記載されていた“血圧対策”に従わず,2分ごとの血圧測定を行わなかった病院の過失と患児の後遺障害との間に因果関係があるとされた。
・医師の注意義務の基準となる医療水準と平均的医師が行っている医療慣行とは必ずしも一致しない。
・医薬品を使用する際に,その能書(添付文書)に記載された注意義務に従わず,それによって医療事故が発生した場合には,これに従わなかった特段の合理的理由がない限り,当該医師の過失が推定される。
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