連載 判例ピックアップ 第29回
脊髄くも膜下麻酔後の患児の急変—周術期管理の確実な施行で患者急変は防げるか?
奥田 泰久
1
1獨協医科大学埼玉医療センター 麻酔科
キーワード:
脊髄くも膜下麻酔
,
ショック死
,
胸腺リンパ体質
,
虫垂炎
,
小児
Keyword:
脊髄くも膜下麻酔
,
ショック死
,
胸腺リンパ体質
,
虫垂炎
,
小児
pp.138-146
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201581
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●Summary
小児の虫垂炎に対して脊髄くも膜下麻酔で手術を施行したところ,術後,患児は急変し死亡した。遺族は医師側に術前,術中,術後の医療措置に過失があったと損害賠償を請求した。一審では,死因が胸腺リンパ体質であったとする医師側の主張は却下され,術前,術中,術後の医療措置に関する医師側の過失が認められた。しかし,二審では逆に,胸腺リンパ体質が死因であったことは否定できないとして医師側の主張が認められ,また術前,術中,術後の医療措置に関する医師側の過失は認められなかった。
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