徹底分析シリーズ またまた研修医の素朴な疑問─1
どのくらいの間隔で血圧を測定すればいいのか?
松本 布紀子
1
,
佐々木 順司
1
1東京臨海病院 麻酔科
キーワード:
モニタリング・血圧・脳循環
Keyword:
モニタリング・血圧・脳循環
pp.512-514
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100316
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●なぜ測定間隔を設定するのか
血圧測定は,聴診や触診,心電図とならび麻酔中の循環モニタリングの基本となる。
日本麻酔科学会,手術室安全対策委員会,麻酔器機規格委員会の合同委員会で制定された『安全な麻酔のためのモニター指針』では,循環チェックとして,「麻酔中の患者の安全を維持確保するために,日本麻酔科学会は下記の指針が採用されることを勧告する。この指針は全身麻酔,硬膜外麻酔及び脊髄麻酔を行うときに適用される」の前文に続き,以下のことが示されている。①心音,動脈の触診,動脈波形または脈波の何れか一つを監視すること。②心電図モニターを用いること。③血圧測定を行うこと。④原則として5分間隔で測定し,必要ならば頻回に測定すること。観血式血圧測定は必要に応じて行う。
また,米国麻酔科学会(ASA)の提唱する“Standards for Basic Anesthetic Monitoring”でも同様に最低5分間隔で血圧測定をするように示されている。
血圧が5分ごとに維持されていることを確認することにより,脳の不可逆的障害が生じる時間までに血圧の異常が発見できるといわれている。もちろん,患者の状態,麻酔や手術の状況で,必要に応じて頻回に血圧を測定しなくてはならないことは当然のことである。
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