はへほ調music scene
ワーグナー Wagner e Venezia
一腸一胆
pp.1270-1271
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200461
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手術室で「クラシック」といえば,元祖声門上器具LMA Classic,あるいは最近では喉頭鏡ならぬ「骨董鏡」と揶揄されるMacintoshがまず思い浮かぶ。一時は麻酔の象徴的存在であった彼らも押し寄せる新製品の波には抗えず,今では麻酔カートの片隅で埃を被って日々肩身の狭い思いをしている。哀れなその姿,まるで本コラム筆者の生き写しのようである。
手術室におけるクラシック音楽の立場も似たようなものだが,前々回で取り上げた手術看護の論文を読むまでもなく,術中のBGM選択を外科医任せにしていると,日本中の麻酔科医がある日突然,騒音性難聴を発症することは火を見るよりも明らかである。(理不尽な手術医の要求が聴こえなくなるのはむしろ歓迎すべきことだろう)。今こそ「音楽選択の自由」を麻酔科医の手に取り戻す時である。
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