知識をいかに体系化するか
—知と行動②—言語と行動の関連
諏訪 邦夫
1
1帝京短期大学
pp.518-519
発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200253
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私たちの行動は,言語と密接に結びついています。ある友人が「パソコンを使い慣れると手が考えてくれる感覚になる」と述べていて,私も賛成します。
行動が言語と密接に結びつく場合,知識・情報を言語で把握して,それを行動に移す方法と,逆に行動が先にあって,それを知や言語情報に移す方法という二通りの方法があり,両者は密接に関係しています。両者は分けられないことも多そうに感じます。考えが先にあって文章を書き始めるのが普通ですが,場合によっては手が先行して考えを導いていく場合もあります。私たちの医療の学習では前者の要素が強いでしょうが,スポーツ関連やその技術習得は後者の要素が強いかもしれません。だからこそ,医師は大抵の場合,患者さんに病態を解説することが可能ですが,スポーツ選手は自分の活動を必ずしも分析できず,「スポーツの解説者」はスポーツ選手のうちごく一部の特殊能力のもち主が行うのでしょう。
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