徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 生理メカニズム
化学受容体が換気を調節するメカニズム
櫻井 裕之
1
Hiroyuki SAKURAI
1
1杏林大学医学部 薬理学教室
pp.952-953
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200013
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呼吸中枢は延髄にあり,呼吸筋の活動,すなわち換気をコントロールしているが,化学受容体からインプットされる情報により,その活動レベルが調節される。その概要を図1に示した。
化学受容体は,末梢と中枢にあり,どちらも呼吸中枢へ出力される。末梢化学受容体の主たる対象は,動脈血の酸素分圧(PO2)の低下であるが,さらに,二酸化炭素分圧(PCO2)とpHの変化を感知する。中枢化学受容体は脳脊髄液のpHやPCO2の変化を感知する。化学受容体全体として捉えると,PO2の低下,PCO2の上昇,pHの低下に対して呼吸中枢を刺激して換気を促し,二酸化炭素(CO2)を体外に排出し,十分な酸素(O2)を取り込み,pHを正常に戻して,恒常性を維持するのがその役割となる。
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