「別冊'13」のおまけ
非換気側肺への酸素投与法(IPAP)のやり方をご説明します
石川 晴士
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1東京医科歯科大学医学部附属病院 麻酔・蘇生・ペインクリニック科
pp.1149
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101985
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intermittent positive airway pressure(IPAP)はオーストラリアの麻酔科医Russellが,片肺換気中に生じた低酸素血症の治療法として考案したもの1)である。IPAPでは,人工鼻をダブルルーメンチューブの非換気側ルーメンに取り付け,人工鼻のサンプリングポートから酸素を投与し,指で人工鼻の出入り口を周期的に閉鎖したり開放したりすることで,ごく少量の1回換気量で非換気側肺の換気を行う。Russellの原法1)によると,酸素の流量は2L/minで,人工鼻の出入り口を2秒間閉鎖後に8秒間開放するので,1回換気量は66mLときわめて小さく,術野を妨げることなく酸素化の改善を図ることができるというメリットが示されている。
私はこのIPAPを,2013年のLiSA別冊2)で紹介したのだが,説明があまりにも淡泊で簡単だったためか(?),さまざまな施設の麻酔科医から詳しいやり方についての問合せをいただいた。そこで今回は,IPAPのやり方をわかりやすく説明しつつ,その有用性について,現時点での自分の考えを述べる。
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