徹底分析シリーズ open TCI:PK-PD学ぶなら今でしょ
肥満者,腎機能異常患者,および高齢患者のTCIでの体重設定―PKモデルの特徴を理解して適切な使用を
小原 伸樹
1
Shinju OBARA
1
1福島県立医科大学 麻酔科学講座
pp.1072-1075
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101966
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肥満者,腎機能異常患者,および高齢者では,頻用される静脈麻酔薬の薬物動態pharmacokinetics(PK),または薬力学pharmacodynamics(PD)が影響を受け,結果的に麻酔薬の必要量が変わる場合がある。静脈麻酔薬をxmg/kg/hrのように,体重を基準として持続投与する場合,ある病態下の患者でx値を健常者と同じ設定にすると,過量投与が懸念される。そのため,基準とする体重を別の体重指標に変えることで,健常者の投与単位(x値)と臨床効果との関係と同じにする試みがなされる場合があった*1。そして,この体重を変更する工夫が,標的濃度調節持続静注target controlled infusion(TCI)に流用されることもあるようである。
本稿では,そのような工夫がTCIで本当に必要かを検討する。
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