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◆春から初夏の学会シーズンもようやく終わりを迎えました。麻酔科関連の学会にお邪魔させていただき,ありがとうございました。
学会は,多くの執筆者,読者の方々とお会いできる貴重な機会です。演題発表も気になりますが,多くの先生ともお話がしたいというジレンマの間で,あっちにふらふら,こっちにふらふら,動き回っていました。
そんな行動が怪しく見えるのでしょうか。知り合いの先生に「何をしているの?」「何をしに来たの?」と尋ねられます。「(日頃の御礼を兼ねて)一応,取材です…」と答えます。“取材”という言葉からイメージされるような,新聞記者が大物政治家にマイクを突きつけて…,といったことはしていませんから,“一応”とつけます。
すると「取材って,何をすること?」と,さらに突っ込まれることもあります。ちょっと困ります。「え~と,どんな話題に参加者の興味が集まっているのかをチェックしたり…」と,歯切れが悪い返答で,ますます怪しげに。
◆言い訳ですが,取材といっても具体的なHow toや正しいお作法はありません。なので,明確なお返事ができないのです。きっと,いろいろな出版社の編集部員が,取材と称して学会に出向いているのでしょうが,その目的,方法は千差万別でしょう。
ただし,どんな取材方法であっても共通する最終目的は,そこでin putしたこと(=材料)をout put(=料理)すること。あるテーマの演題に注目が集まっていたからといって,それがそのまま特集や記事として成立することは,あまりありません。
そもそもLiSAで掲載するには,どんなに急いでも数か月後。今,注目されていることが,数か月後も同じように注目されているとはかぎりません。また,講演・発表で習得できることと,紙ベースの記事に求められることは別モノという点も,材料そのままを提供するには無理がある理由です。
◆「空腹は最高の調味料」といいます。好奇心旺盛で,いつも知識に飢えている方ばかりなら,料理もそれほど難しくはないでしょう。でも残念ながら,巷には書籍があふれ,インターネット上では情報の洪水が起きています。そんな時代でも,美味しいと言われる料理に仕上げるには,食べる人を想像し,その人に合わせて素材のエッセンスを抽出する,という正攻法しかないのでしょう。
LiSA編集委員や編集協力委員をはじめ,企画案を作成してくださる料理人の方に,その腕を存分に振るってもらうために,夕飯の献立に悩む主婦が「ねえ,今晩,何食べたい?」と問うように,編集部は「最近,何か困っていませんか?」と尋ねて回るのです。
◆毎号のLiSAは美味しく召し上がっていただけていますか? 素材,味付け,ボリュームなどについてご要望がございましたら,編集部までご一報ください。
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