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■新雑誌『Intensivist』が2009年1月に創刊します。
『ミラー麻酔科学』第74章「麻酔科学とクリティカルケアの概要」によると,1940年代のポリオ患者の治療に麻酔科医がかかわったことに端を発し,麻酔科医によって広められて現在に至った集中治療なのですが,今日アメリカでは,内科系医師(呼吸器専門医)の集中治療専門医(インテンシヴィスト)が増え,麻酔科医の数は減少しているとあります。ICUに勤務する麻酔科医がなぜ減少したか,さまざまな原因があるとしています。うがった見方をすれば,手術から術後ケアまでの一連の流れでとらえられていた周術期,急性期医療としての,麻酔科医が担っていた集中治療が発展し,独立したより高度の専門性を持つものとして確立した,と言うことではないでしょうか。機器,治療手技,治療薬の画期的な進歩により,「重症患者の管理や治療が可能になったと同時に,これらの治療がより侵襲的なものになった」こともその一因ではないでしょうか。
また,この10年間の革命的出来事として,集中治療室(ICU)医療にエビデンスにもとづいた医療が導入されたこと,を「ミラー」は挙げています。このエビデンス,治療方針とは別に,重症患者の管理は集中治療専門医が行うほうが患者の予後がよいという結果を示しております。そうしたことからも,ICUの責任者には,集中治療医学の認定資格をもった,すなわち集中治療の専門的な教育を受けた医師を配置すべきである,と「ミラー」は述べます。そして,その責任者の役割は,「ICUでの患者管理の質と安全を確保すること」,さらに「スタッフの教育,患者のトリアージの判断,臨床プロトコールの開発,治療成績の改善」であると言います。
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