徹底分析シリーズ それでいいのか 麻酔中の人工呼吸
気道確保器具と人工呼吸モード―手術と麻酔は決まった さあ呼吸はどうしよう?
薊 隆文
1
Takafumi AZAMI
1
1名古屋市立大学看護学部・大学院看護学研究科 健康科学領域 病態学(麻酔学)
pp.934-942
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101624
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ICUでの呼吸モードについては,さまざまな議論がなされてきたが,麻酔中の人工呼吸については,麻酔器に搭載されている人工呼吸器の能力に限界があったため,あまり考慮されることはなく,分時換気量を維持することだけに終始していた感が否めない。
しかし近年,麻酔器の人工呼吸器は進化し,圧補助換気pressure support ventilation(PSV)が可能な呼吸器も登場した。また,気道確保の方法も声門上器具の代表であるラリンジアルマスク(LMA)が登場して以来,多岐にわたっている。そして,人工呼吸器の設定の多様化と声門上器具の登場によって,麻酔中の呼吸管理のバリエーションが増えてきた。そのため,手術の部位,手術手技,体位,時間,また筋弛緩薬使用の有無によって,気道確保の方法や人工呼吸器の設定を変えることが求められている。
そこで本稿では,麻酔中の気道確保方法,適切な呼吸モード,手術の影響の相互関係をまとめる。ただし,気道確保困難への対処については触れない。
Copyright © 2012, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.