徹底分析シリーズ 意識のバイオロジー
意識の電気生理学的モニタリング―脳波は意識の有無を示すものではない しかし麻酔薬濃度に依存する変化の観察で…
萩平 哲
1
HAGIHIRA, Satoshi
1
1大阪大学大学院医学系研究科 麻酔・集中治療医学講座
pp.374-376
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101504
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麻酔薬の効果判定をするには,脳のモニターが必要であると考えられ,脳波や誘発電位を用いたモニターが開発されてきた。しかし現在のところ,これらのモニターにのっとった麻酔管理で術中の無意識や無記憶が保証されるわけではない。
意識や記憶のメカニズムはいまだ研究の途中であり,意識の中枢が存在するかどうかなど,不明な点は多い。現在,「意識」は大脳皮質の各部位のネットワークによって成り立っていると考えられている1)。そして,麻酔薬はこのネットワークを分断したり,これらの領域の活動を抑制したりすることによって,無意識を作り出しているとされている。図1は,これを模式的に示したものである。なお本稿では,記憶には言及しない。
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