症例検討 体温異常
偶発的低体温―まずは32℃以上への復温を目指す 装備への一工夫で対処が可能になる
佐藤 秀貴
1
,
佐野 哲孝
1
,
小川 太志
2
SATO, Hidetaka
1
,
SANO, Tetsutaka
1
,
OGAWA, Futoshi
2
1東京臨海病院 救急科
2川口市立医療センター 救命救急センター
pp.64-67
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101432
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症例
年齢不詳の男性。身長165~170cm。痩せ形。最低気温が氷点下になる1月の深夜に,公共施設内で倒れているところを通行人に発見され,警察に通報があり保護された。警官は酔っぱらいと思い接触したが,様子がおかしく意識がないため,救急要請。警察による情報収集で,患者は公園で寝起きするホームレスで,家族はいるが,かかわり合いたくないと言っていたこと,特別な既往歴はないことがわかった。アルコール臭なし。外傷痕なし。全身は乾いている。救急隊到着時の所見は,瞳孔4/4-・-,JCS100,血圧とSpO2は測定不能,収縮期血圧50mmHg,呼吸数16回/minで,かなり体温が低い。病院到着時の所見は,瞳孔4/4-・-,JCS100,GCS:E1V2M4,血圧60/38mmHg,心拍数32bpm,呼吸数18回/min,直腸温24.4℃であった。
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